1996/11/7  Yoshiko Sekiguchi 氷におおわれた海岸線



(夢)夏の夕方のようだった。海の見える高原の峠道を通って、私は海岸近くに ある両親の家に帰ろうとしていた。とても遠い道のりのようだったので、 私は飛行機にのることにした。
珊瑚礁の海のように濃淡のグラデーションのくっきりした海岸線のうえを 飛び、山をひとつ越えると、浅いラグーンの色がよりはっきりしたミント 色に変わった。
そのとたんに、私は自分が南のほうの島に向かって飛んでいるのに気づく。 前にも何度かいった島だ、と思う。たしか、三つの島が細い水路でつなが っていて、三つ目の島にとても仲のよい友達がいるのだったと思う。本島 に降り立つと、まず細い道が教会まで導いてくれる。その教会の前を通り 過ぎると、居心地のよいホテルと船着き場があり、そこから高速のボート にのりかえて目的地の島にいくのだった。
いつ行ったのだか覚えていないのだが、何度も何度も夢に出てきたのだか ら、とてもよいところだったのだ、と思う。
(本当に行ったことがある島なのか、それとも単なる夢だったのか、夢の中 で考えるのだが、いつもどうしてもわからないのである)

突然、南のほうは異常気象でとても寒くなっているという機内アナウンス が入る。外をみると、ミント色の海が凍っている。
目的の島にたどりつく前に、湾の入り組んだ別の島を越えていくのだが、 その島にいたっては、山間の谷間にクリスタルのような氷の塔が林立して いる。湾内では波が凍ってしまって、そこに雪が降り積もっている。
突然、両親の家が心配になってきて、そのまま飛行機で「伊豆」まで戻る ことにした。自家用機でもないのに、飛行機はそのまま旋回して戻ってく れた。
次に降り立ったのは、片側が山、片側が海につづく海岸電車のホームで、 駅前から海までの小径の両脇には石造りのスペイン風の漁師のが並んでい る。
そこに、いつも会社では印象の薄いSくんがいたので、こっちは寒くない か、と聞くと、海のほうはハラルド(といっていたような気がする)がき ているので大変だ、といわれる。
あわてて海辺に出てみると、砂浜の砂が氷になってしまっている。 波打ち際も凍り始めているので、はやく家に帰らなければ、と思った。

べつに布団を掛けていなかった、とかそういうことではないのですが、大 変に寒い夢でした。 (夢終)



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