『幸せ運ぶ蜘蛛』中村理恵子



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Date: Sat, 02 Oct 1999 19:33:15 +0900
中村です。
安斎さん>光島さんからきた「弦楽器」を受けて連画した作品「幸せを運ぶクモ」、ファイルネーム;03r06.tifをメールします。ZIPを解くと、約4MBです。これをどう受けてくれるか楽しみにしています。
光島さん>まず、オリジナル作品をカプセルペーパーにコピーして凸凹してください。触ってみてください。黄色の部分と青い部分がそれぞれ違うぼつぼつで触れるはずです。大きなボツボツ部分が黄色。それより細かいボツブツ部分が青。光島さんの好きなスカイブルーです。他、べたの部分は、大半が黒。しかし、光島さんの赤いギターを引用した部分は、少し彩度を落としましたが、そのまま使っています。何に変身したかわかるかなー?ともあれ、これが安斎さん経由して、光島さんに届けられる時がまた楽しみですね。

●解題;幸せを運ぶクモ
ある朝の風景です。ギター演奏のアリアを聞きながら、黒と白の市松模様の床材が貼っていある台所を裸足でうろうろしていました。青空がのぞく窓際をみると、大きなクモが息を潜めて静止しています。私の目、視線、お目目は、クモに釘付けになりました。一瞬、彼(クモ)の周辺の空気も異常な緊張状態になりました。はりつめた空気の色が、黄桃色に見えました。
「そんなに緊張することないのに・・・」
そこで、光島さんの赤いギターと安斎さんのぎざぎざの装飾音(飾りの音)を使って‘固まったクモ‘を表現。市松の床、窓の外は、青空、この一瞬の出来事をスナップショットするように、見開かれた私の目が手描きタッチでかきそえてあります。
幼い時、誰かが言ってました。午前中のクモは幸運の徴(しるし)だって。以来、私は、クモが好きなんです。
さて、今回、表現するうえでの工夫ということについてですが、見ても触っても伝わる作品創りです。その上、そうした表現上の機能が、立派にアートとして成立するということ、美しく、響く一枚の絵であることを目指しました。具体的には、色部分を印刷の網点に置き換える事です。触覚的には、その大きさの違いで、色の違いを認識してもらう。また、視覚的には、おしゃれで粋な水玉表現を駆使したおかげで、ずいぶん垢抜けた作品になっていませんか・・・。課題はありますが、表現の限界、そして思いもよらない可能性の発見を経験しました。

10月2日

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