96/07/14  安斎利洋 脱線ジェットコースター

(夢)駅は、小高い丘から、少し降りたところにある。都営の電車は、運賃80円。しかし、回数券には70円と90円しかない。70円を切り取って10円足して切符を買う。切り離した90円はもう無効です、と言われる。釈然としない。

電車は、高い丘の上から発車した。東京を一望しながら、ゆっくりと電車は芝生に囲まれた美術館を横切る。この電車に乗るのは初めてだが、こんなに気持ちのいい景色なら、ちょくちょく乗ってもいい。

ジェットコースターのような構造の車両の、後ろのボックスに、男の子が数人乗っている。そらまめのような形の大きい頭の男の子が、ボックスから落ちそうなので、彼を自分の前に座らせ、落ちないように両足でしっかり支えてやる。

そうこうしているうちに、自分のボックスだけ脱線して、普通の道を走っている。なにしろ動力がないから、坂を降りる弾みを利用して、坂を登るしかない。これで、目的地まで行き着けるだろうか。

そらまめの頭の彼は、近所の養護施設の子供で、名札を首からかけている。途中にある病院に寄って、その施設に電話をかける。

なんとか自力で、後楽園のレールまでたどりついた。駅員に「この電車は途中で脱線した」と抗議する。そらまめの彼は、もう一人いた友人のことを気にしている。彼が知り合いの男の子に尋ねると、「あいつ、弱っていたから、死んじゃった」と言う。


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